離乳食後期（生後9～11か月）について
離乳食後期（一般的に生後9〜11か月頃）は、赤ちゃんが母乳やミルクだけではなく、食事からもしっかりと栄養を取るようになる大切な時期です。赤ちゃんが「食べること」に少しずつ慣れてきて、3回食へ移行する時期でもあります。この時期は「カミカミ期」とも呼ばれ、食べ物を噛む練習やさまざまな食材・味に慣れることが目的です。
こんな変化が見られたらOK！
1．おすわりがしっかりでき、椅子にある程度の時間座れる
2．自分で食べたい意欲があり、口を左右に動かして食べる
3．塊になっている食べ物は、歯ぐきでつぶして食べようとする
離乳食後期のポイント
1. 食事の回数
1日 3回食になる
母乳・ミルクは食後にあげて、栄養の中心を離乳食に移行させる
2. 食べられる固さ・大きさ
歯ぐきでつぶせる固さ（バナナくらいの固さ）
目安：5～8mm角のサイコロ状、または薄くスライス
3. 量の目安（1回あたり）
炭水化物（ごはん・パンなど）：約90g（軟飯）・8枚切り¾（食パン）
野菜・果物：約30～40g
たんぱく質：約15g（魚・肉）
豆腐なら約45g、卵なら全卵½個
4．調理法・味付け
食材はやわらかく煮る、蒸す、ゆでるなどの調理が基本
基本は味付けなし〜ごく薄味（素材の味を大切に）
大人用から取り分けて、味付け前に与えるのが◎
5. 使える食材の幅が広がる
卵（全卵）、乳製品（ヨーグルト・チーズなど）、小麦もOK（アレルギーに注意）
肉や魚の種類も増やせる（脂の少ない部位から）
青菜や根菜類なども食べやすく調理すれば◎
※新しい食材は平日の午前中に1種類ずつ少量から与える
食べられる食材の例
| 食材グループ | 食材の例 | 調理のポイント |
|---|---|---|
| 穀類 | 軟飯、パン、うどん、そうめん | やわらかく煮る だしで風味をつける |
| 野菜・果物 | れんこん、ごぼう、もやし、ほうれん草、小松菜、バナナ、りんご | やわらかく煮て細かく刻む |
| たんぱく質 | 白身魚、鶏ささみ、ひき肉、豆腐、全卵（少量ずつ） | 小さくしてよく火を通す |
| 乳製品 | プレーンヨーグルト、粉チーズ（加熱済み・少量ずつ） | 無糖・塩分控えめで |
避けたほうがいい食材
・はちみつ（1歳未満はNG）
・生卵・生魚
・加工食品（ハム・ソーセージなど）
・のどに詰まりやすい食材（丸ごとのミニトマト、ナッツ、団子、こんにゃくなど）
・刺激の強いもの（香辛料、濃い味付け）
・アレルギーが心配な食材
手づかみ食べについて
この時期から始まる「手づかみ食べ」はとても大切！スプーンに興味が出たら、自分で持たせてみる
・赤ちゃんの「自分で食べたい」気持ちを尊重
・柔らかくて持ちやすい「スティック状」「小判型」の食べ物がおすすめ
例：やわらかく蒸したにんじんスティック、おやき、バナナスライス
ワンポイントアドバイス
1．手づかみ食べが増えてくる時期。汚れても良い環境で自由に食べさせると◎
2．食事のリズムと生活リズムを整える
3．食べムラがあっても気にしない（体重が増えていれば大丈夫）
4．食材の好き嫌いがある場合は、調理法を変えてみる（蒸す→煮る→炒めるなど）
5．固形を嫌がる場合は、とろみをつけたり柔らかさを調整する
6．9か月頃から鉄不足に注意。鉄分豊富な食材（レバー、牛肉、まぐろ、かつお、ほうれん草、小松菜、
納豆、ひじきなど）を与えたり、鉄分強化したベビーフードを活用する
7．水分補給（お茶や湯冷まし）もこまめに与える
8．食後の歯磨きや口のケアも始めましょう
まとめ
離乳食後期は1日3回食となり、エネルギーや栄養素の半分以上を離乳食からとるようになる大切な時期です。母乳やミルクは、栄養補助として与えるようにしましょう。食べる量や進み具合には個人差があるため、焦らずゆっくり、赤ちゃんのペースに合わせて進めましょう。声かけをしたり一緒に食べたりと食事の楽しい雰囲気作りをすることで、食べる意欲も育ちます。
