MEDICAL
インプラント治療
インプラント治療とは?
メリットとデメリット、治療の流れのご紹介
歯を失った部分を補う治療として、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラントが一般的になりつつあります。
入れ歯やブリッジの違和感や慣れない感覚のために普段の生活に不自由している方は、インプラントを検討してみませんか?
インプラントとは
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インプラントとは、体内に埋め込んで使うもの(医療材料)全般を指します。
股関節の人工骨頭や心臓ペースメーカー心臓のペースメーカーなどもインプラントと呼びます。歯科では、生体となじみが良いとされるチタンという金属を使った人工歯根を指します。
インプラント治療のメリットとは
インプラント治療の最大のメリットは、見栄えのいい歯で自分の歯と同じように噛めることにあります。
しかもインプラントは、隣の歯を触ることなく治療することができます。
ブリッジのように歯を削ることもほとんどなく、入れ歯のようにバネが見えることを気にする必要もありません。かぶせ物をセラミックやジルコニアなどを選び、色調と形など出来映えによっては、天然歯と同じような歯並びを再現することもできます。
また、義歯の土台として使う方法もあります。インプラントと入れ歯の双方に磁石を埋め込むことで、磁力で義歯が固定され、しっかり噛めるようになります。
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インプラント治療の
対象となる方とは -
インプラント治療は、歯を失った方(事故、歯周病、虫歯など)や、生まれつき歯がない方(永久歯の欠損)がまず対象で、歯1本から、(親知らずを除く)上下すべての歯まで対応できます。
インプラント治療のデメリットとは
この治療のデメリットは、まず保険診療が使えるのはごく一部の条件にとどまるため、基本的に治療費は自由診療です。インプラントの本数やかぶせものの素材によって高額になることもあります。
次に、インプラントの治療期間は個々の症状によって異なりますが、平均約4~6ヵ月です。
入れ歯やブリッジなどと比べると治療期間が長くなるため、さまざまな予定が立てづらくなります。インプラント治療を受ける前に治療期間についてしっかりと確認しておきましょう。治癒に時間がかかるなど、当初の予定より時間がかかることも想定しておくべきでしょう。
33つ目として、このインプラント治療で一番大切なことは、治療の完了ではなく、定期的なメンテナンスを受けるです。せっかくのインプラントを炎症で失うことは避けたいものです。これを予防するため、プロフェッショナルによるインプラント周囲の定期的な清掃が必要です。
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インプラント治療を
お勧めできない方 -
だれでもインプラント治療が受けられるわけではありません。
- タバコを吸われる方は、加熱タバコであっても術後に炎症を起こすリスクがとても高いため、お勧めできません。
- インプラントを埋め入れる部位のあごの骨の幅と高さが不足する方ではそのまま埋め込むことができません。骨を造る治療が必要になることがあります。
- インプラント治療はあごに埋め込む手術が必要なため、心臓や呼吸器などが悪く、心身的にも手術に耐えられない方は禁忌です。持病・基礎疾患がある方は、カウンセリングの際にインプラント治療が可能かどうか、歯科医院で確認が必要です。
- 高血圧症や心疾患などの循環器疾患、肺炎や喘息などの呼吸器疾患、糖尿病や骨粗しょう症などの既往がある方もできない場合があります。
- 歯周病で歯を失った方は、まずその治療が必要です。
インプラント治療の主な流れ
TREATMENT FLOW
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1. カウンセリング
まずは、インプラントを希望される患者さんと、丁寧に時間をかけてカウンセリングを行ないます。歯および歯ぐきの状態、あごの骨の状態、口腔内の状態、全身の状態などまで確認します。その後、「インプラント治療の内容、メリットやデメリット、注意事項のなどの説明をいたします。
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2. 術前検査
歯周組織の検査、あごの骨の状態を三次元的に把握するCTをはじめ、血液検査、心電図などの検査も必要に応じて行います。このなかでも、CT検査は治療計画を立てるうえで大切な検査です。歯を支えるあごの骨には、神経や血管が数多く通っているため、歯科専用のCTでその位置を正確に把握します。
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3. 治療計画の立案
術前検査の結果をもとに、治療計画を立て、具体的な治療期間や手術日程、費用などの説明をいたします。提案内容に承諾が得られたら、治療開始となります。
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4. 口腔内の清掃
インプラントを入れる場所がプラークや歯石で汚染されてはいけませんので、お口の中の清潔度をあげるため、口腔内全体の清掃を行います。
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5. 麻酔
インプラント埋入手術は、一般的な歯科診療のように局所麻酔だけで行なう場合もあれば、インプラント本数が多い場合、不安感が強い方、緊張しやすい方は、静脈内鎮静法という点滴での麻酔法を局所麻酔と併用して手術します。この鎮静法は全身麻酔とは異なり、少し眠りのような状態にし、リラックスした気持ちで手術を受けられます。
インプラント埋入手術には、骨の状態などで1回の手術で済ませる「1回法」と、2回に分けて行なう「2回法」があります。
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6. 手術
歯ぐきを切開して少しだけめくり、あごの骨にドリルでインプラント体を埋めるための穴を作ります。その後、方向に注意しながらインプラントを入れます。インプラント体に土台の部分まで装着することもあれば、カバー(ヒーリングキャップ)をつけます。どちらの方法で手術を行なうかは、あごの骨の状態によって判断します。
手術時間は、インプラント1本につき5~15分ほどかかります。もし仮歯の調整などもあれば、1本につき約1時間かかります。
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7. かぶせ物の装着
手術からおよそ2か月するとインプラントと骨がしっかりなじんできます。その時期になると歯型を取り、かぶせ物を製作します。
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8. メンテナンス
インプラント埋入手術を受けたあとは、定期的なメンテナンスが重要です。まずは術後1・3・6・12か月の時期に定期的なチェックが必要です。その後、問題がなければ年1回程度のメンテナンスを行います。